■会長挨拶


第19期会長就任にあたって                       令和4年7月20日 

    

 「コナラ(ぶな科)」木クイ虫の被害・拡大で雑木林が危ない

 武蔵野の森の美観というと落葉樹・広葉樹の彩色の美しさですが、本来関東地域の気候帯は、亜熱帯性気候帯に属しているので照葉樹林帯なのであります。ところが、武蔵野の自然観は、小説に登場するイメージは雑木林・落葉林のような受け止め方をしているようなことが少なくない。

 近くの多摩市にある都立桜ケ丘公園も雑木・雑木林の美観を呈して美しい。同公園内の舗装・未舗装の遊歩道には「コナラの雄花」(樹高:15~20m) が受粉後、生涯の役目を終えて樹体から落花し、

惨めにも散歩や自転車に踏み付けられ、原型(10㎝ぐらいの線形)が無くダンゴや「茶紛の色の塊り」のように生涯の終焉を目視する。散歩していても心が痛む。

 都立桜ケ丘公園の「コナラ樹」は製炭業の盛んな時代(恐らく、第二次大戦前・後頃)に、10~20年生に生長した炭が優秀な商品として出荷され、消費者に歓迎された。ところが、近年製炭業が衰退し、

炭の適材とされる10~15年生のコナラ材も大木化し、木クイ虫の好食材となったようで、主に20生以

上の樹齢のコナラに甲虫(直径大木に1.5~2.0㎜程度の大きさの虫)が樹の表面から穴を開け内部に入ってから産卵し、その幼虫が年輪間内の樹肉のところで樹液を餌に成長して、樹内に繁盛してコナラの大木を枯渇してしまう。このような現象が、過ってわが国で松の木が害虫か菌害で疾病で絶滅の状況下にあったことがあった。これと類似している。

 今日は、都立桜ケ丘公園は正しく「コナラの木クイ虫」の害虫拡大中であり、公園利用者や公園管理者が頭が痛い。予算の関係でしょうが、年度末に慌てて被害コナラ伐採作業に入っていた。このおかげで(こならの伐採する電気ノコの雑音に驚いたのか?)営巣中の鶯が森を追われて民家の小さな庭に移り、美声でホーホウケチョと哀しい啼き方・哀鳴きで啼くのです。お陰で美しい鶯の鳴き声を窓越しに耳にすることができました。その後も鶯は森に返らずに我が窓越しの歌手で祭事にしています。誰かに感謝したくなりました。今のところ、コナラの枯渇は現在も継続しています。コナラの枯渇は、伐採する方法しか予防策が見当たらないでしょうか。

 

 

                                                        以  上